【創業支援コラム】20150320 事業計画は必要?

お会いした経営者の方々に「事業計画つくってますか(つくりませんか)?」とお聞きしたときに「うちはまだそんな規模じゃないから事業計画なんていらん」、「1年先のことなんかわからへんから計画なんて意味ない」、「設立したばっかりやしまだいらない」といった声をお聞きすることがあります。

これは本当にそうなのでしょうか?

私は、「事業計画つくった方がいいですか」と聞かれたら、「必ずつくってください」とお答えしています。もしくは先程のように言われたら「ぜひつくりましょう」とお伝えするようにしています。

例え、社長さんお一人の会社でも、ずっと続けていくことを考えるなら事業計画はつくるべきもの(持ち続けるべきもの)と私は思います。

 

事業計画を作るのは何の為(誰の為?)

事業計画はなぜ作るのでしょうか?誰の為につくるのでしょうか?
それは、自分の為に、そして周りの人の為につくるのです!

 

自分の為につくる

ご存知の通り、経営者は忙しいです。起業して間もない頃は、まだ余裕があるかもしれません。

しかし徐々に仕事が増えてくると、特に人数の少ない会社では経営者が営業、現場作業、事務作業、資金繰りなどやらなければならないことがどんどん出てきます。

そうすると、自分の目標とは違うけれども、「その時に気になっていたから」と目標とは違う方向へ進み、また「気になることができたから今度はこっちに」ということが出てきます。
その時に、それが目標とどう関係があるのか、軌道修正をすべきなのか、はたまた目標設定を変えるべきなのか、常に検討する必要があります。

ではどうやって検討するのでしょうか?ただ漠然と考えても難しいと思います。

その作業は今の状態と照らし合わせる「何か」がないとできません。その「何か」が事業計画なのです。

事業計画は、GOOGLEMAPとそこに表示される経路案内のようなものです。自分の辿り着きたい場所と現在地を見比べ、そこに辿り着く道と方法を考える道具なのです。

 

みんなの為につくる

ここでいうみんなとは従業員さんがいらっしゃれば従業員の皆さん、お客さん、金融機関さんなど、あなたの関係する又は今後関係するであろう方々です。

会社経営は自分ひとりだけで成功することはできません。周りで支えてくれる人がいてはじめて成功するものだと思います。

そのみなさんに「うちの会社はこんなことがしたくて、こうやってやろうと思ってるから、だから応援(協力)してや」と話をして、協力してもらうために口頭で目標だけを話しますか?逆の立場では何か欲しいと感じませんか?それが事業計画だと思います。

いくら到着地が立派でも、道中が見えなければ一緒に行ったり協力したりできませんよね。

 

何を書けばいいの?

少しは事業計画づくりに関心を持っていただけましたか。
では何を書けばよいのでしょうか?よく聞かれる3つのことを簡単にご紹介します。

①何年後にどうなっていたいか。(どこに行きたいか、なぜそこに行きたいか)

計画をつくろうとする際「〇年後の数字なんてわからへん」ということをお聞き
します。確かに正しい3年先、5年先の経営数値なんて誰もわかりません。

まずは「5年後になっていたいあなた(会社)の姿」を想像して書いてください。
年間の利益が1,000万円、従業員を5人にする、給料1,000万円などなんでも結構です。

そこから順番に、5年後の姿になる為の4年後~1年後、半年後の「なっていたいあなた(会社)の姿」を書いてみてください。

それができたら次に「どうやってなるか」を書いてみてください。
ここが事業計画のポイントです!!

この「どうやってなるか」についてはいろんな状況を想定して、いろんなパターンを考えてみてください。後から必ず役に立つと思います。

②数字で考える

「数字で考える」というと「そんな不確定なことわからん」「実現できるかどうかわからへん」という声をお聞きします。

でもそれでいいんです! まずはできるかできないかは気にしないでください。 

「なっていたいあなた(会社)」になる為に必要な数字を書いてください。
「どうやってなるか」を具体的な数字にしていくのです。

例えば、5年後の年間利益が1,000万円にする、だったらそのために必要と思う経費・人件費・仕入・売上を考えていきましょう。これを4年目~現時点に近づけていくのです。

実現可能かどうか、数値の根拠が正しいかどうかはその後です。どうみて実現不可能なら5年後を7年後に置き換えてみる、他にやり方があるんじゃないかと考えてみる、数値の根拠が曖昧ならなぜ曖昧か考えてみる!ベースとなる数字がないと良い悪いの判断もできません。

まずは数字にしてしまうことが大切です。

③初めは細かく考えすぎない

②のように具体的に数字に落込んでいく作業の中で手か止まる方がいます。
お聞きすると電話代はいくら位か、交通費はどの位かなど細かい費目の数値を考えてらっしゃるようです。(業種によってはこれらが細かくないところもありますね)

事業計画を数値化していくことは大切です。
月単位の計画では必要かも知れませんが、まずは利益・経費・労務費・仕入・売上など大きな数字から考えていかないと全体がみえてきません。「細かいところはあとで」と考えてください。

 

本当に役に立つの?

「事業計画を作ることは大切です!」とお話してきましたが、じゃあ、事業計画さえつくれば会社が順調に成長していくかと言えばそうではありません、計画通りに何でも進むわけでもありません。

「じゃあやっぱり意味がないじゃない」、とは思わないでくださいね。

先にもお話ししましたが、事業計画があるから、「あっ、ちょっと自分の考えた方向とはずれてきたな」とか「順調にきているから、こんなこともできるかな?」などと考えることができるようになるのです。

常にあなた(会社)の状況をチェックし、修正、改善をしまた動く(いわゆるPDCAサイクルというやつですね!)、この繰り返しが事業の継続につながっていくのだと思います。
事業計画はそれを実践する為のとても重要なツールだと思っています。

まだ事業計画をつくっていなければぜひ事業計画つくりをスタートしましょう!!

 

【税理士法人丸岡&パートナーズは新設法人様の事業計画づくりをお手伝いします!】

( 次回 ) もう少し具体的な事業計画のお話

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